山王学舎では、この度の新型感染症の拡大による臨時休校期間中の子ども達を様々な形で支援してきました。それは山王学舎だけの力ではなく、多くの支援団体の下支えがあってこその運営です。
その中のひとつのセーブ・ザ・チルドレン「新型コロナウイルス感染症対応・放課後児童クラブ緊急サポート」の助成を受けて、山王学舎も「新型感染症の影響下で実施している放課後児童クラブ」として運営を行ってきました。
この取り組みの一つとしていくつかありますが、今回は「子ども達と山王学舎のシャッターに絵を描こう」と題したプロジェクトの様子をお伝えします。

このプロジェクトは、以前山王ひなた美術教室に勤めていた奈々子先生と、その友人アレックスが企画し実行に移してくれました。
奈々子先生は只今プロミュージシャンとして活動していますが、やっぱり子ども達と接することが好きなのでしょう。子ども達の柔軟な発想、底知れないエネルギーの開放ができる機会を作れないかと、会うたびに様々なアイディアを提案してくれます。
そんな奈々子先生自身もとてもエネルギッシュな人柄で、子どもも大人も惹きつける魅力持った素敵な人です。
イタリア人のアレキサンダー(通称・アレックス)は、様々な国を旅し、その土地土地で壁画を描く活動をしている気さくな青年です。日本には半年程滞在しており、その前はコロンビアの小学生たちと、とても大きな壁画を完成させていました。
自分の意志をしっかり持ちつつ、周りの意見も柔軟に取り入れてくれるアレックス。暇さえあれば絵を描き、日本語の勉強にも積極的なアレックス。彼もまたとても魅力的な人です。
簡単な説明になりましたが、そんな二人を中心に始めたシャッターペイント。
それでは当日の様子へ。

まずは、汚れ落としから。
何十年もほこりを被ってきたシャッターは、真っ白な雑巾が一瞬で真っ黒になる程、とても汚れがたまっていました。
この下準備が地味で、意外と一番難儀な仕事だと思っていたのですが、子ども達は積極的に汚れ落としにも取り組んでくれました。お家でしっかりお手伝いをしているのでしょう、とても助かりました。




そして、みんなでアイディア出しへ。
今回の絵のテーマは「想像・思いやり・多様性(ダイバーシティ)・環境(自然)」に決まりました。
美術という大きな一本の軸(樹木)の基になる様々な形をした木の実たち。その木の実たちがダイバーシティであって、自然の摂理。その樹木を育てる種は、子ども達の想像力と思いやり。
説明するとくさくなってしまいますが、子ども達ひとりひとりがテーマについて考え、意識してもらえるように話し合い、その中でアイディアが固まっていきました。



汚れを落としたシャッターには、まず下地のアイボリー色のペンキを塗りました。
ローラーが一個しか無いので、他の子達はブラシを使用。ブラシでムラなく均等に塗る作業は大人でも大変でしたが、手分けしてみんな楽しそうにやってくれていました。




下地が乾いた後は、いよいよチョークとマジックで下描きを開始。
段差のあるシャッターはとても描きづらく、チョークを何本も折りながらみんな頑張っていました。
とても大きく描く子もいれば、ものすごく小さく描く子もいたりと、サイズ感だけでもそれぞれの性格が出ていておもしろかったです。


このシャッターペイントは、金、土曜日の16:30~18:00の美術の時間に行ったのですが、その時間だけでは時間が足りないので、奈々子先生とアレックス、そして毎日通ってくれている少数の子ども達とで、平日も少しずつ進めていきました。



色を塗り徐々に全体像が見えてくると、子ども達のやる気も興奮度も高まってきました。
そして、子ども達の絵が増えていくにつれて、大人のぼくらも想定していた以上のおもしろい絵になりそうだと楽しくなっていきました。
やらせではなく、「いいね、いいね!」と自然とぴょんぴょんこ飛び跳ねている男子の写真も撮ることができたので良かったです。

大まかな色塗りが終わった後は、仕上げのアウトライン入れ。
アウトラインひとつで絵の印象がガラリと変わるので、みんなで丁寧に線を重ねていきました。





ちなみに、シャッターの至る所に入っている言葉は、始めに話し合ったテーマから子ども達が連想する言葉を、日本語、英語、イタリア語で描いています。
まだしっかりと字を習っていない年長さんの子も、見様見真似で文字を描き、とてもおもしろい形の字を描いていました。


そして、三週に渡って描いてきたシャッタ―ペイント、6月6日(土)にようやく完成させることが出来ました。

Before

After


始めの錆びれたシャッターも良かったですが、やはり子ども達の絵が入ると一段と明るくなり、「子どもの居場所」らしさが一気に高まったと思います。
そして、みんな時間をかけて頑張った分、エネルギー溢れるシャッターに仕上がったと思います。近くを通りかかった際は、是非実物をご覧ください。
奈々子先生、アレックス、子ども達、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとう。
コロナ禍で不安がつづく中、小学校再開と同時期にみんなで大きなシャッターを完成させることができたこの体験が、次なる季節へのパワーチャージに繋がっていればいいなと思います。
子ども達がどんなことを感じ取ったかはわかりませんが、新生活で悩んだ時は、またこのシャッターを見に来てもらいたいものです。もちろん、山王学舎もこのシャッターに負けじと、明るく楽しく新年度も精進いたしますので、何卒宜しくお願い致します。

学び舎お泊り読書会
学び舎お泊り読書会7月11日から12日にかけて行われた学び舎お泊り読書会の様子をお伝えします。
今回は、高学年から中学生が多く集まった会となりました。
お兄さん、お姉さん達が静かな空気を作ってくれていたので、低学年の子達もそれに合わせて割りかし落ち着いて読書に向かってくれていたと思います。
中学生の子達の中には今日は部活で疲れたからと、早い時間から寝袋を出し、横になりながら読書をしている子達もいましたが、くつろいでくれて何よりです。
とは言え、22時消灯後にすぐ寝る子はいず、みんな読書やお話で盛り上がり、たまの夜更かしを楽しんでいるようでした。
翌日、ほとんどの子ども達が6時前から起き出し、先生達もすかさず起こされ、みんなで予定より早い朝食時間となりました。
そして、食後は読書感想画へ。
読んだ本のあらすじ等も添えて、みんな真面目に取り組んでくれていました。
みなさん一泊二日お疲れ様でした。
本を交換し合って読んでいる様子を見れたり、息抜きになったという声が聞けてとてもよかったです。
のんびり読書ができるように準備しておきますので、またのご参加お待ちしております。
次回は8月1日(土)の開催です。
⚫︎お問い合わせは特定非営利活動法人山王学舎まで
【電話】092-515-8752
【mail】info@sano-gakusha.or.jp
山王学舎のリモート活用授業
中学生, 学童, 学習, 小学生, 放課後児童クラブ福岡県共同募金会と福岡市NPO活動推進補助金のご支援を頂いて、山王学舎に来ているまたはコロナ禍によって大勢の子どもがいる居場所に通えなくなった子どもを対象に、「遠隔(リモート)授業を取り入れた新しい子どもの居場所事業」を始めました。子ども達の中にはデジタルデバイスに不慣れな子どももいます。この機会に新しいつながりを生かして、学びに役立てようとするチャンスかもしれません。それは私たち団体にとっても今の状況下で子ども達とどのような形で接していくのか模索して導き出す時期でもあります。
遠隔(リモート)授業は、現役の大学生のサポート先生とつながることで、学校に通えていなかった時期を埋めるようにわからないところを聞いてみたり、常時オンラインシステムを繋げておくことで安心したりする子ども達もいます。案外そこに先生と繋がっているだけで充足した時間が過ごせているのかもしれません。
また、低学年や小学生の子ども達は、新しいつながりを楽しみながらやすやすと環境を受け入れてくれているようでした。時には居場所に直接来て過ごしたり、体調がすぐれない時や感染状況が悪化した時に備えて、今は慣れていく時期なのかもしれません。
山王学舎の新しい子ども達への取り組み、仕組みの構築に向けてご支援頂いた福岡県共同募金会(赤い羽根)様、福岡市にあらためて感謝申し上げます。そしてこの取り組みが地域の子ども達に資するものになるよう努めたいと思います。
子ども食堂~唐揚げ・かしわ飯定食~
子ども食堂7月4日に行われた子ども食堂の様子をお伝えします。
今回の献立は「唐揚げ・かしわ飯定食」でした。鶏づくしですね。
そして、今年に入ってからは一番の客入りで、大量に準備していた唐揚げも売り切れとなり、まさに大盛況でした。
ご家族でのご参加も多かったので、とても嬉しく思います。
そして、今回は福岡子ども専門学校の生徒さん達がボランティアでお手伝いをしてくれました。
子ども達とのふれあいから子ども食堂の配膳まで、積極的に取り組んでくれてとても助かりました。
とてもにぎやかで楽しい夜になりましたが、それと同時にみなさんのご協力があってこそ運営できているのだなと改めて実感しました。
今回来ていただいたみなさん、そしてお手伝いしてくれたみなさん、心からありがとうございました。
子ども達、地域の大人達が気軽に交流でき、居心地の良い居場所となるようこれからも精進してまいります。
次回は7月18日(土)、献立は「お魚定食」です。
ご予約お待ちしております。
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学び舎子ども料理教室〜福岡〜
学び舎子ども料理教室6月28日(日)に行われた学び舎子ども料理教室の様子をお伝えします。
新年度は5月からスタート予定だったこのイベントですが、先月は中止だったので、今回がリニューアル第一回目となりました。
そして、大変申し訳ないのですが、今年度から参加費が200円値上がりし、時間が1時間短縮されています。
学び舎子ども料理教室も今年で3年目となりましたが、子ども達が楽しく料理と触れ合えるよう、これまで様々な試行錯誤をして参りました。
子ども達に濃密で有意義な時間を過ごしてもらえるよう検討した上での、この設定変更となりますので、どうかどうか今年度もよろしくお願いいたします。
今回の料理テーマは「福岡」。
様々な福岡料理がありますが、低学年から高学年までが挑戦でき、身近な料理という観点から、今回は餃子を作ることに決めました。
始まりの会では、福岡の八幡餃子や高菜の簡単な特徴を子ども達に学んでもらいました。
始まりの会の後は、早速調理と工作チームに分かれ、それぞれ作業へ。
具材のみじん切りは、みんな慣れた手つきでサクサク切り進めていた印象です。
工作チームは、トレーペーパーと割り箸入れを作ってもらいました。
完成したこのセットは、自分用ではなくランダムに配るので、貰った相手が実食時間に目でも楽しんでもらえるように書いてほしいと話すと、みんな黙々と作業に取り掛かってくれました。
具を包む作業は、向き不向き、好みが分かれていて、スラスラ包む子も入れば、こういう作業は嫌いだとつぶやきながやる子等様々でした。
ですが、みんな最後までとても熱心に取り組んでいました。
そして、焼き上げまでして、実食へ。
バヤ先生の特製高菜焼飯と、工作セットを合わせて、みんなで一緒にいただきました。
トレーペーパーも、クイズや間違い探し等、楽しめる工夫を施してくれていました。
食後は、自分が使った食器洗いまで。
そして、最後に今日習ったことのおさらいをしました。
メモしている子もいたので、お家でもチャレンジしてもらいたいものです。
参加してくれたみんな、お疲れ様でした。
初めて柚子胡椒をつけて食べたという子が多かったので(まだみんなの口には合わないようでしたが)、そういう初リアクションを見ることができて良かったです。
またのご参加お待ちしております。
次回は、7月19日(日)、テーマは『冷やし』です。
⚫︎イベント参加のご予約、お問い合わせは特定非営利活動法人山王学舎まで
【電話】092-515-8752
【mail】info@sano-gakusha.or.jp
学び舎林間学校~夏編~
学び舎林間学校(以下写真は前年度の様子)
宿泊期間中はグループに分かれ、グループで行動を共にし、食事のメニューもみんなで考え、みんなでご飯を作ります。
そして、日中は山王学舎を中心に地域を探検して新しい自分達だけの地図を作ります。
もちろん、地図作りだけではなく、みんなで宿題をしたり、まったりする時間もたくさんあります。
子ども達だけの共同生活で、学びや規律、自主性を大きく育んでもらおうと思います。
去年の参加者は、前期・後期ともに山王学舎に普段通っている子よりも新規参加(山王学舎に初めて訪れる)子達がほとんどだったので、みんな初対面同士のようなメンバー構成になっていましたが、みんなすぐに打ち解け3泊4日を乗り切っていました。
コロナウィルスの影響で夏休みが短縮されてしまいましたが、その分、これまでの夏休みとは少し違った、濃密な4日間を過ごしてみるのも良いのではないでしょうか。
と言いつつ、濃密がNGな昨今、去年程は濃密とまではいかないまでも、子ども達ができる限り羽を伸ばせる時間を作り、成長を促す時間になればと思っております。
気になる方は、気軽にご連絡ください。
資料も郵送いたします。
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子ども食堂~皿うどん~
子ども食堂6月20日(土)に開催した子ども食堂の様子をお伝えします。
まだ以前程の盛り上がりはありませんが、少しずつ子ども達は子ども食堂へ足を運んでくれるようになってきました。
そして、今回もフードバンクさんから頂いた様々な食材を、フードパントリーとしても実施しました。
メニューは皿うどんとポテトサラダだったのですが、写真を撮り忘れてしまいました。
ボランティアスタッフの青山さん、川原さんが美味しく作ってくれていたのに...すみません。
ちなみに、皿うどんではフードバンクさんからいただいたパリパリ麺を使わせていただきました。フードバンクさん、毎回本当にありがとうございます。
食後のくつろいでいる写真になってしまいますが、みんな残さず食べてくれていました。
みんなゲーム、漫画、iPadお絵描きに夢中です。
そして、今回は就労支援A型事業所「オール」さんが、子ども服を提供してくれました。
幼児から小学生の低学年ぐらいまでのサイズをどっさり持ってきていただいたので、保護者の方々がバーゲンセールのように吟味していました。
世の中に溢れ返る洋服たち。様々なリサイクル活用法はありますが、やはり着てもらった方が洋服も嬉しいはずです。何着か旅立っていく姿が見れて良かったです。
「オール」箕輪さん、西島さん、お食事までしていっていただきありがとうございました。
この写真を見て、洋服がもっと見栄え良くなるように並べるべきだったと反省しました。
次回は7月4日(土)の開催予定です。
メニューは唐揚げ定食。
ご予約お待ちしております。
お問い合わせは特定非営利活動法人山王学舎まで
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【HP】http://sanno-gakusha.or.jp/
学び舎お泊り読書会・6月
学び舎お泊り読書会6月13日(土)に行われた学び舎お泊り読書会の様子をお伝えします。
みんなでお泊りして夜通し読書を楽しむこの会、新型コロナ感染症の影響で5月の会は中止とさせていただきました。学校が再開したとはいえ、第2波が予想されておりまだまだ油断はできない状況下にあります。
ですが、どこもかしこも非接触の活動を求められると、子ども達のストレスはたまっていく一方だと思い、今月は開催させていただきました。
感染拡大防止に注意を払いながらの為、まだまだのびのびとまではいきませんが、子ども達が一息つける場を提供できればと思います。
では、当日の様子へ。
受付後、まずはみんなで夕飯のカレーを食べ、そして自己紹介&持参した本紹介へ。
今回の子達は、あまり人見知りせず、楽し気に紹介し合っていました。
学校、学年、毎回ばらばらで初見同士の子ばかりなので、せっかく一夜を共にするわけだし、この時間で少し距離が縮まればと思います。
そして、読書時間。
始めは、お泊りで興奮冷めやらぬ様子の子ども達でしたが、徐々に各々の落ち着く場所を決め、本に向かっていきました。
低学年の子達には、バヤ先生が読み聞かせを行っていました。
高学年になるとあまり興味を示さなくなる印象ですが、低学年の子達は前のめりでバヤ先生の話に聞き入っていました。
リアクションの良い子達だったので、バヤ先生はやりがいがあったと思います。
そして、22時消灯。
消灯後は、もちろん寝てもらって結構です。眠れない子達にはランタンを渡し、寝ている子の邪魔にならない程度の灯りで読書を続けてもらいます。
とは言え、お泊り会でテンションがあがっている子ども達。今回の子達もみんなすぐには眠らず、たまの夜更かしを大いに楽しんでいる様子でした。
そして、翌朝。
みんなで朝食を食べた後は、昨晩読んだ本の挿絵、もしくは感想画をかんたんに描いてもらい解散しました。
朝からのお絵かきで、絵の具で色塗りまで進む子はいませんでしたが、鉛筆、色鉛筆を使いみんな真面目に取り組んでくれていました。
このような不安定な状況の中、ご参加いただいたみなさんありがとうございました。
気がきく子ども達ばかりで、スタッフは楽しく過ごすことができました。
できる限りリラックスできる空間を提供できるよう準備しておきますので、またのご参加お待ちしております。
次回は7月11日(土)の開催予定です。
ご予約、お問い合わせは特定非営利活動法人山王学舎まで
電話092-515-8752
mail:info@sano-gakusha.or.jp
HP:http://sanno-gakusha.or.jp/
子ども食堂再開
子ども食堂6月6日(土)から子ども食堂を再開しました。
まだコロナウィルスの感染拡大には油断できませんが、小、中学校の登校が始まり、子ども達の日常が徐々に再開し出してきています。
山王学舎も子ども達が普段通りの居場所として過ごせるように、スタッフやボランティアの皆さんが率先して衛生管理に注意を払いながら、遊び、勉強、食事の場を提供していこうと思います。
今回のメニューはカレーライスでした。
まだ去年までのような盛り上がりは取り戻せていませんが、コロナの終息と共に、また山王学舎の子ども食堂が活気づいていくことを願っております。
ご来客いただいたみなさん、そしてボランティアスタッフの青山さん、川原さんありがとうございました。
次回は、6月20日(土)の開催予定です。
メニューは「皿うどん」。
ご予約お待ちしております。
山王学舎のシャッターに絵を描こう
美術山王学舎では、この度の新型感染症の拡大による臨時休校期間中の子ども達を様々な形で支援してきました。それは山王学舎だけの力ではなく、多くの支援団体の下支えがあってこその運営です。
その中のひとつのセーブ・ザ・チルドレン「新型コロナウイルス感染症対応・放課後児童クラブ緊急サポート」の助成を受けて、山王学舎も「新型感染症の影響下で実施している放課後児童クラブ」として運営を行ってきました。
この取り組みの一つとしていくつかありますが、今回は「子ども達と山王学舎のシャッターに絵を描こう」と題したプロジェクトの様子をお伝えします。
このプロジェクトは、以前山王ひなた美術教室に勤めていた奈々子先生と、その友人アレックスが企画し実行に移してくれました。
奈々子先生は只今プロミュージシャンとして活動していますが、やっぱり子ども達と接することが好きなのでしょう。子ども達の柔軟な発想、底知れないエネルギーの開放ができる機会を作れないかと、会うたびに様々なアイディアを提案してくれます。
そんな奈々子先生自身もとてもエネルギッシュな人柄で、子どもも大人も惹きつける魅力持った素敵な人です。
イタリア人のアレキサンダー(通称・アレックス)は、様々な国を旅し、その土地土地で壁画を描く活動をしている気さくな青年です。日本には半年程滞在しており、その前はコロンビアの小学生たちと、とても大きな壁画を完成させていました。
自分の意志をしっかり持ちつつ、周りの意見も柔軟に取り入れてくれるアレックス。暇さえあれば絵を描き、日本語の勉強にも積極的なアレックス。彼もまたとても魅力的な人です。
簡単な説明になりましたが、そんな二人を中心に始めたシャッターペイント。
それでは当日の様子へ。
まずは、汚れ落としから。
何十年もほこりを被ってきたシャッターは、真っ白な雑巾が一瞬で真っ黒になる程、とても汚れがたまっていました。
この下準備が地味で、意外と一番難儀な仕事だと思っていたのですが、子ども達は積極的に汚れ落としにも取り組んでくれました。お家でしっかりお手伝いをしているのでしょう、とても助かりました。
そして、みんなでアイディア出しへ。
今回の絵のテーマは「想像・思いやり・多様性(ダイバーシティ)・環境(自然)」に決まりました。
美術という大きな一本の軸(樹木)の基になる様々な形をした木の実たち。その木の実たちがダイバーシティであって、自然の摂理。その樹木を育てる種は、子ども達の想像力と思いやり。
説明するとくさくなってしまいますが、子ども達ひとりひとりがテーマについて考え、意識してもらえるように話し合い、その中でアイディアが固まっていきました。
汚れを落としたシャッターには、まず下地のアイボリー色のペンキを塗りました。
ローラーが一個しか無いので、他の子達はブラシを使用。ブラシでムラなく均等に塗る作業は大人でも大変でしたが、手分けしてみんな楽しそうにやってくれていました。
下地が乾いた後は、いよいよチョークとマジックで下描きを開始。
段差のあるシャッターはとても描きづらく、チョークを何本も折りながらみんな頑張っていました。
とても大きく描く子もいれば、ものすごく小さく描く子もいたりと、サイズ感だけでもそれぞれの性格が出ていておもしろかったです。
このシャッターペイントは、金、土曜日の16:30~18:00の美術の時間に行ったのですが、その時間だけでは時間が足りないので、奈々子先生とアレックス、そして毎日通ってくれている少数の子ども達とで、平日も少しずつ進めていきました。
色を塗り徐々に全体像が見えてくると、子ども達のやる気も興奮度も高まってきました。
そして、子ども達の絵が増えていくにつれて、大人のぼくらも想定していた以上のおもしろい絵になりそうだと楽しくなっていきました。
やらせではなく、「いいね、いいね!」と自然とぴょんぴょんこ飛び跳ねている男子の写真も撮ることができたので良かったです。
大まかな色塗りが終わった後は、仕上げのアウトライン入れ。
アウトラインひとつで絵の印象がガラリと変わるので、みんなで丁寧に線を重ねていきました。
ちなみに、シャッターの至る所に入っている言葉は、始めに話し合ったテーマから子ども達が連想する言葉を、日本語、英語、イタリア語で描いています。
まだしっかりと字を習っていない年長さんの子も、見様見真似で文字を描き、とてもおもしろい形の字を描いていました。
そして、三週に渡って描いてきたシャッタ―ペイント、6月6日(土)にようやく完成させることが出来ました。
Before
After
始めの錆びれたシャッターも良かったですが、やはり子ども達の絵が入ると一段と明るくなり、「子どもの居場所」らしさが一気に高まったと思います。
そして、みんな時間をかけて頑張った分、エネルギー溢れるシャッターに仕上がったと思います。近くを通りかかった際は、是非実物をご覧ください。
奈々子先生、アレックス、子ども達、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとう。
コロナ禍で不安がつづく中、小学校再開と同時期にみんなで大きなシャッターを完成させることができたこの体験が、次なる季節へのパワーチャージに繋がっていればいいなと思います。
子ども達がどんなことを感じ取ったかはわかりませんが、新生活で悩んだ時は、またこのシャッターを見に来てもらいたいものです。もちろん、山王学舎もこのシャッターに負けじと、明るく楽しく新年度も精進いたしますので、何卒宜しくお願い致します。
子ども食堂~お弁当~
子ども食堂5月23日(土)は2020年最初の子ども食堂を開催しました。
まだ緊急事態宣言解除を受けて間もないということで、山王学舎での食事提供とせず、お持ち帰りのお弁当とこれまでフードバンクから頂いた様々な食材を、フードパントリーとして実施しました。
お弁当提供は初めての運営だったので事前にボランティアの方々と打ち合わせを行い、当日スムーズにお渡しが出来るように事前予約制とさせていただきました。
スタッフ・ボランティアで「お弁当屋さんが出来るね~」と気分も盛り上がるくらいの出来栄えで、みんな美味しくいただけたでしょうか。
まだまだ感染予防の油断できませんが、6月の子ども食堂は、福岡市の感染状況を様子見しながら是非開催したいと思います。
ご予約お待ちしております。
「山王学舎の子ども食堂・6月の実施予定日」
・6月6日(土)18:00~20:00(保護者同伴のみ21:00まで可)、献立「カレーライス」
・6月20日(土)18:00~20:00(保護者同伴のみ21:00まで可)、献立「未定」