先週の7月13~15日は、同じ地域内にある「山王ひなた美術教室」のキャンプイベントがありました。
山王学舎に通っている子達も何人か参加するということで、ぼくもお手伝いとして参加してきました。
今回の目的地は、長崎県北松浦郡小値賀町にある無人島、野崎島。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つ「野崎島の集落跡」がある島です。
その島内にある廃校となった木造校舎を宿泊施設として利用している「自然学塾村」を拠点に、二泊三日の自然体験を楽しんできました
初日の午前中はあいにくのお天気。
どしゃ降りの大雨にうたれながら野崎島に到着しました。
みんな合羽をまとい、一列になって港から自然学習塾までの道のり30分を頑張って歩きました。
ひとりの子がスターウォーズみたいだ、と話していて、それにはぼくも共感しました。ジェダイの騎士がマントを深々と被って敵の島へ潜入するシーンのイメージですね。
そうこう心躍らせながら話している内に、自然学習塾に到着。
雨の中の急な上り坂、下り坂の多い道のりをみんな頑張りました。
宿舎内で先生達の注意事項を聞き、グループ決めをした後は、今回の寝床となるテントへそれぞれ移動しました。
午後からは雨もあがり、予定通りテントで寝泊まりが出来ることになったので、子どもも大人も一安心しました。
その後は夕食の時間まで自由時間だったので、外で遊んだり、敷地内を探検したり、宿舎内で絵を描いたりして過ごしました。
グループ行動が決まりとはいえ、初対面同士の子たちも多かったと思うので大丈夫かと様子を見ていたのですが、さすが子どもと言うべきなのか、自然にコミュニケーションを取りながら打ち解けていっていたので、みんなすごいなと感心しました。
ちなみに写真が荒いですが、テントのすぐ後ろ側の丘には野生の鹿の群れが下りてきていたり、宿舎の後ろ側の丘には1908年から建っている世界遺産の「旧野首教会」がすぐ近くにそびえ立っていたり、足元をカニが歩いていたりと、都会とは全く違う風景に子ども達は大喜びしていました。
初日の夕飯はカレーライス。
食べている様子を撮り忘れましたが、みんな調理のお手伝いもしてくれていました。
そして21時には消灯でしたが、興奮さめやらぬ子ども達は、先生達に注意されながらもたまの夜更かしをそれぞれのテントで楽しんでいました。
2日目。
昨日とは打って変わって、とても良い天気でした。
そして書き忘れていましたが、今回のキャンプでは、平戸の「NPO法人ひらど海てらす」さんが協力してくれました。
平戸の様々なエキスパート、自然をより深く知っている方々を集めていただき、食事からガイドまでキャンプ事業全体を手伝っていただいたので大助かりでした。
ということで、2日目はそんな方々のエスコート、指導付きでトレッキングチーム、釣りチーム、海水浴チームに分かれて行動しました。
トレッキングチームは、崖下に広がる湾を一望できる野崎島随一の展望台を目指しました。
野崎島は隆起によって形成されているようですが、東部に広がる台地は火山活動で形成されたそうです。そのため、展望台周辺には火口から噴き出したという溶岩が所々に散らばっていたので、子ども達はその溶岩をウキウキしながら拾ったり、割ってみたり、昨日室内で静かに絵を描いていた子達でさえも、崖から海へぶん投げたりと、陽気さとワイルドな一面が垣間見えたのでとても良かったです。
もちろん展望台から見える広大な海といびつな形状の島の景色は、小粒の悩みぐらいなら全部吹き飛ばしてくれるぐらいとても素晴らしかったです。
そして、展望台からの帰り道では、神官であり最後の島民となった方が住んでいたお家を外観だけ見ることが出来ました。所々綺麗に修繕されていましたが、住んでいた当時の雰囲気が少し感じ取ることができました。
そして、釣りチーム。
インストラクターさんの指導の下、サビキ釣りを行いました。
時間帯によってなかなか釣れないチームもありましたが、午後から始めたチームは大当たりが多かったようです。
そして、2日目の夕飯は待ちに待ったBBQ。
大量のお肉、焼きそば、お昼に釣ったイワシ、そしてひらど海てらすさんがプレゼントしてくれたスイカをいただき、子どもも大人も大満腹の内容でした。
そして、最終日。
三日目ともなると、最初少しよそよそしかった子ども達に「おはよう」と話しかけると、「ああ…おはよう」といった感じで、先生達に対しても子ども同士でも、お家感と言うか仲間感と言うか、少し気を許してきているのだろうなといった様子がとても良かったし可愛らしかったです。
最終日の課題は、美術教室主催のキャンプなのでやはり絵画制作。
このキャンプでの思い出をそれぞれ絵に込めてもらいました。
残念ながら完成した絵の写真も撮り忘れてしまいましたが、みんな本当に一生懸命描いてたのでとても素敵な絵たちが仕上がっていました。
いいなと思って唯一撮っていた女の子の絵は、サビキの仕掛けがしっかり描き込まれているし、海の中の躍動感と楽しそうな様子がうかがえます。
話しを聞くとサビキ釣りは初めてのようで、よく仕掛け等まで観察しているなあと、これまた関心しました。
長々と写真を並べてきましたが、こういった様子のとても充実した2泊3日のキャンプでした。
「自分のことは自分でやる」というルールの下、大自然の中で同世代で協力しながら過ごした三日間は、子ども達には良い刺激になったのでしょうか。
自分でも知らず知らずの内にたくましくなっている所はきっとあると思うので、これからの学校生活が少しでも過ごしやすくなることを密かに願っておきます。
スタッフとしても、様々な性格の子ども達と関わることができたのでとても良い経験になりました。
山王学舎でもしっかり還元していこうと思います。
そして、何から何まで手伝ってくれたチームひらど海てらすのみなさん、スムーズかつ楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。
また来年もあるなら楽しみにしておきます。