二日目の朝。

5時過ぎ、ドタバタと音のした後に急に肩を揺らされ、何ごとかと目を覚ますと、「朝ご飯は何作るの!?」と、男子からの平和な質問。

昨夜寝る前に伝えたよな、と思いながらも、これこそ平和の象徴の会話なのだと自分に言い聞かせ、スタッフ達は寝坊することなく健やかな朝を迎えることができました。

7時からの朝食は、たまごサンド。

みんな朝からしっかり働いてくれていました。

寝惚けまなこな子ももちろんいましたが、元気な子達の求心力に徐々に全体のテンションも上がっていき、にぎやかな朝食となりました。

そして、午前中はまずみんなでDVD鑑賞。

数本あったタイトルの中、多数決で決まったのは夏に見るべき「サマーウォーズ」。

子ども達は、各シーンごとに笑ったり、ツッコミを入れたり、怒ったり。

この光景を見た監督はすごく嬉しいんじゃないか、と思いました。

一方、2階では自由時間。

勉強したり、本や漫画を読んだり、トランプをしたり、各々穏やかな午前を過ごしていました。

そして、DVD鑑賞後1時間ほど宿題時間を挟み、昼食。

花田先生がキンキンに冷えたそうめんを作ってくれました。

先生達の協議の結果、薬味は海苔、ネギ、錦糸卵、ツナ缶。

意外と言うか、予想以上に子ども達はそうめんに喜んでくれ、もりもりと食べてくれていました。

そして、ひと息ついた後は、いよいよメイン企画のオリジナルマップ作り。

チームごとに大体の行き先を決め、快晴の下、重くなった水筒と共に出発しました。

漫画の様な軽快なステップ。

やはり、室内だけでは子ども達のパワーは有り余ります。

そして、約1時間半の探索を終え帰舎。

炎天下の中、子ども達、先生方、みんな本当にお疲れ様でした。

 

小休憩後、早速歩いてきた道順の記憶とメモを頼りに地図作成を開始。

みんな視界に入ってきた店名や道順をしっかりメモに残してくれていました。

二日目にして早くも、チームワークが徐々に生まれ出してきている様子の子ども達。

地図作りにとても真面目に取り組んでくれていたので、とても感心しました。

明日も地図作りはあるので、2時間程度で終え、一旦明日へ持ち越し。

そして、今夜の夕飯担当は「326トリオ」チーム。

煮込みハンバーグ、味噌汁、サラダを作ってくれました。

美味しく仕上がったハンバーグにみんな箸もすすみ、10合炊いたご飯があっという間に完売しました。

食後は昨夜と同じく千石湯へ。

そして、22時完全消灯。

消灯前には笑顔を見せていた子ども達ですが、消灯後、中には寂しくなって先生達のもとへ泣きながら起きてくる子もいました。

みんな日中は笑顔で楽しく振舞ってくれているけど、いろんな場面で我慢しながら頑張ってくれているのだな、と感じた一幕でした。

そんな子達も、先生の添い寝と共に眠りにつくことができ、二日目も無事終える事ができました。

明日は折り返し地点の三日目。

ブログも三日目へ。

このイベントは、3泊4日の宿泊体験を山王学舎で行います。

普段とは違う友達との交流、共同料理、また一緒の学びと体験を通じて、子ども達の自主性と協調性を図るプログラムです。

先生、お手伝いをしてくれるお兄さんやお姉さんと一緒に過ごす夏の体験は、都市部の子ども達にとって、異年齢のコミュニケーションの発達や、思いやりを育むことができ、地域で子どもを見守る狙いです。

ということで、8月20日(火)~8月23日(金)の日程で行われた学び舎林間学校・後期の様子をお伝えします。

前期の経験を経て、スタッフ陣またみんな気合を入れていかないとなあと決起集会をしている12時半頃、子ども達が続々と集まり出してきました。

初めて来る山王学舎に戸惑いを隠しきれず、お母さんと涙のお別れをする子や、お母さんの頑張ってねのエールに振り返ることなく学舎内にすぐさま駆け上がって行く子など、家族ごとに別れ方も様々でした。

ほぼ初めてのお泊りという子もいたので、親子共に不安なのは当たり前のことでしょう。

その光景を見て、スタッフの身も一気に引き締まりました。

全員集まった13時過ぎ、いよいよ始まりの会をはじめました。

まずは、この林間学校で共に協力して過ごしてもらうチーム分けを発表。

そして、各々のチーム名、チームの目標、メンバーの役職を決めてもらいました。

今回参加してくれた子ども達も前期同様、初対面同士が多かったのですが、みんな人見知りせず、すぐに話しかけ合ってコミュニケーションをとっていました。

ですが、コミュニケーションをとれてもまとまることはなかなか難しいようで、各グループの年長リーダーがみんなをまとめようと奮闘していました。

大人でもいきなりまとまるのはなかなか難しいと思うので、みんなとても頑張っていたと思います。

そうやって誕生した「山王なるとチーム」、「326(サンニロック)トリオチーム」、「サンサンチーム」。

この林間学校では、チームごとに夕飯のメニュー考案、買い出し、調理までやってもらうので、その段取りまで決めてもらいました。

ということで、初日の夕飯担当は「山王なると」チームに決まり、早速買い出しへ。

メインディッシュはオムライス。

一方、残りのチームは勉強タイム。

夏休みの残りの宿題のラストスパートをかける子や、自学に励む子など、それぞれマイペースに進めていました。

そして、熱気を帯びるキッチンでは、18時からの夕飯に向け、ちゃきちゃきと動き回ってくれていました。

お家でのお手伝いで包丁使いに慣れている子と先生を中心に、たまねぎのみじん切り、炒めまでしっかり行い、美味しそうなチキンライスが仕上がっていっていました。

サラダ、スープまで付いてきたので完璧でしょう。

そして、バッチリ18時に間に合い、みんなで食卓に着くことができました。

この頃には、みんな緊張の糸がほどけてきている様子で、美味しそうに食べている表情に一安心しました。

夕飯後は近所の老舗銭湯の千石湯へ。

真夏の暑い中、往復徒歩でこちらもみんなよく頑張ってくれました。

そして、帰舎後はようやく就寝準備。

みんな初日の緊張等で疲れただろうと思いきや、まだまだ元気いっぱいな子ども達。

22時完全消灯後も、どすどす歩き回って先生に叱られる等、寝る前も忙しそうでした。

そうして、ようやくひそひそ話が聞こえる程になった中で、1日目の夜は更けていきました。

2日目はいよいよ地図作り。

ブログも2日目へ。

最終日の朝。

さすがに疲れが溜まって熟睡している先生達をよそに、この日もキッズ起こし隊は6時前からぞろぞろと起き出してきました。

ですが、7時まではどうか寝かせてあげようと促すと、起こし隊はすんなりと撤退の意思を表明してくれました。

小さいことかもしれませんが、子ども達がちゃんと気をつかってくれている、と成長を感じた朝でした。

そして、朝食は鐘哲先生お得意のホットサンド。

中身のピザソース、ハム、ブラックペッパー、チーズがとろけています。

今日でやっとここから抜け出せる!という安堵感からなのか、みんなの表情もやわらかく感じます。

そして、朝食後はみんなで山王学舎内を掃除、帰り支度をしました。

お泊りイベントでは必ず何かしら出てくる忘れ物。

今回も片付け後に押収された落とし物オークションが開催されました。

毎回なにか失くしてしまう子は、とりあえず名前さえ書いていれば誰かに落札されてしまうことはないでしょう。

その後は、この四日間のお互いの労をねぎらい合いながら、みんなでの最後の時間をのんびりと過ごしました。

そして、有難い事に今回の林間学校では、誰ひとり脱落することなくみんなでゴールを迎えることが出来ました。

もちろん、途中で些細なケンカがあったりもしましたが、その都度子ども達で話し合って仲直りをすることができていました。

すべてを許すことはないと思いますし、それぞれいろんな不満も少しずつ溜まった4日間だったかもしれません。

ぼくら先生からは、みんないろいろあれど、とても円滑にコミュニケーションをとっているように見えていたので、今思えば、仮に不満を押し殺しながら頑張っていたのなら、とても大人な子ども達だったのかもしれません。

孤立する子が出ることなく、しっかりとチームで助け合い、ぼくらが用意したスケジュールにも積極的に取り組んでくれた子ども達にはとても感謝しております。

今回みんなが発揮していた自主性と協調性は、きっと学校生活でも役立っていくはずです。

みんなそれぞれキャラ立ちしたおもしろい子達だったので、また山王学舎の何かしらのイベントでお待ちしております。

本当にお疲れさまでした、そしてありがとう。

 

 

 

 

3日目の朝。

朝食はご飯、ベーコン、玉子焼き、梅干し、味噌汁。

早く朝食を済ませた子達は、二階で寝転んでくつろいだり、まだ眠たい子はまどろんでみたり。

だいぶ山王学舎での生活にも慣れてきたようで、そのくつろぐ姿が微笑ましく思えました。

そして、恒例の朝礼では三日目のスケジュールをみんなで確認。

この日もみんなの意見を聞き、午前中は室内でゆっくりと過ごす事に決まりました。

昼食はやきそば。

午後の探索に備えて、モリモリいただきました。

そして、午後からはいよいよ街探索。

昨日とは打って変わって、快晴の3日目。

いよいよ、とは書きましたが、うなだれる程の強い日差しと燃えるような暑さに、待ちに待った感はさほどない子ども達。

ですが、さすがに室内遊びも飽きたようで、出発時間が近づくにつれ探索へのボルテージが上がってきている様子でした。

チームごとに担当の先生と目的地を決め、塩分チャージタブレットをポケットぱんぱんに詰め込み、それぞれ違う場所へ出発しました。

そして帰舎後、一息ついた後は、昨日描いた理想の地図に、今日歩いて見てきた実際の街の風景を描き足してもらいました。

 

こうしてようやく完成した夢と現実の挟間の地図。

子ども達の想像力の素晴らしさが詰まった素敵な大作となりました。

これを眺めて、人生にはもっと何かあるはず、という思いに大人は駆り立てられるのではないでしょうか。

 

そして、今夜の夕飯担当は春住チーム。

献立は「やわらかいハンバーグとフルーチェ」

ハンバーグの他には、付け合わせの野菜として、ブロッコリーとコーンをバターで炒めました。

みんな積極的に動いてくれたので、スムーズに完成させることが出来ました。

そして食後は千石湯で汗を流し、22時には消灯。

3日目でさすがに疲れてきているだろうと思いましたが、まだまだまだ元気のあり余る子ども達。

この日もひそひそ、たまにどたどた聞こえながら夜は更けていきました。

いよいよ明日は最終日。

ブログもその4へ。

2日目の朝。

朝食はコロッケパンでした。

朝からコロッケパンは重いよという訴えなのか、この表情。

まだ電源が立ち上がっていません。

この日は林間学校メイン企画のオリジナルマップ作りの為に、山王学舎の近所を探索する予定だったのですが、まさかの台風接近のため風雨吹き荒れる生憎のお天気。

という事で、みんなで話し合った結果、映画鑑賞をする事になりました。

映画よりも遊びたい子達は、二階でボードゲームやお絵描き。

この狭い山王学舎の中で、天候に合わせて柔軟に楽しんでくれる子供達にはとても助かりました。

そして2日目午前中の時点で、既にみんな仲が深まってきている様子だったのでとても安心しました。

昼食前には、少し宿題タイム。

昼食は冷やしそうめんと天ぷらでした。

揚げたての野菜天、肉天、魚フライと食べる冷たいそうめんは大盛況で、みんな沢山おかわりをしてくれていました。

そして昼食後、近所探索はできていませんが、マップ作りへ。

「自分の住む街にこういう建物や施設があったらいいな」「街がこういう取り組みをしていたら楽しそうだな」といったような理想の街を想像してもらい、それをマップに落とし込んでもらうことになりました。

大人だと照れや気負いがあり、一旦考えて手が止まってしまう気がしますが、さすがは子ども達。

予定外の無茶振りに、こちらも柔軟に対応してくれ、すらすらと描き始めてくれました。

りんチームのテーマは「水」。

水の都・ストックホルムのような運河で囲まれた街。

色鉛筆だけで何層にも渡って一生懸命塗り込まれた深い青は、とても幻想的に仕上がっていました。

春住チームのテーマは「魔法」。

魔法で何でも作ってしまうお店、魔法のアイテムを販売するお店、移動手段は空飛ぶほうき等、ファンタジーに富んだ街。

こちらのチームは、みんなで一旦意見を出し切り、それをリーダーがメモ書きでまとめ、それぞれの区域を決めながら地図を描き出すという段取りを組んでいました。

意見はファンタジー、段取りはリアリズム。

ポニータ・ゴリラチームのテーマは「ゲーム」。

女子とは対照的に、色使いよりも細かい箇所まで描き込まれている点に目がひかれました。

平和で住みよい社会なのか、はたまた情報統制がなされた暗黒社会なのか、個人的に見ていてワクワクしてきます。

そして、2日目の夕飯担当はポニータ・ゴリラチーム。

献立は、「肉!野菜!」。

豪快な献立とは裏腹に、とても美味しいポークソテーを仕上げてくれ、こちらもおかわりを取り合う程、大盛況の売れ行きでした。

そして、今夜はちゃんと開いていてくれた近所の老舗銭湯・千石湯へ。

 

一日の汗と疲れを流し、2日目も無事に終了。

明日はようやく折り返しの3日目。

怒涛の林間学校。

ブログはその3へ。

このイベントは、3泊4日の宿泊体験を山王学舎で行います。

普段とは違う友達との交流、共同料理、また一緒の学びと体験を通じて、子ども達の自主性と協調性を図るプログラムです。

先生、お手伝いをしてくれるお兄さんやお姉さんと一緒に過ごす夏の体験は、都市部の子ども達にとって、異年齢のコミュニケーションの発達や、思いやりを育むことができ、地域で子どもを見守る狙いです。

ということで、8月5日(月)から行われた学び舎林間学校・前期の様子をお伝えします。

初日は13時に集合しました。

初めてのお泊りでうしろ髪を引かれ合っている親子、初めて訪れる山王学舎の内装を物珍しそうに見渡す子、既に帰りたそうな表情をしている子、親子共にみんなそれぞれ不安を少し抱えながら敷居をまたがれていました。

そんな親子を見て、ぼくらスタッフもいよいよ始まるのだな、とグッと身が引き締まりました。

まずは3チームに分かれ、それぞれチームでの役割分担、チーム名、この林間学校での目標を、時間を掛けてじっくりと話し合ってもらいました。

こうして生まれた春住チーム、りんチーム、ポニータゴリラチーム。

初対面同士の子が多かったであろう中、真面目に話し合い、チームごとにそれぞれの指針を発表してもらいました。

その内容から、「これからみんなでやっていくんだ」という気概が感じ取れ、とても頼もしく思えました。

そして、自由時間。

お菓子が配られ、少し緊張が取れてきたのか、一気に学舎内のボリュームが上がり、この辺りから柔らかい表情が見え出してきました。

そして、16:30からは宿題タイム。

みんな嫌々ながらも、しっかりと静かに宿題に向かってくれていました。

その宿題チームの裏では、りんチームが夕飯の買い出し&調理を開始。

今回の林間学校では、夕飯の献立から調理までを子ども達が決めてやってもらうルールだったので、初日はりんチームが担当してくれました。

献立は、唐揚げ、スープ、梅ひじき、オレンジ。

揚げ物のみで終わらず、ぼくの主観だと少し渋い梅ひじき、というサッパリおかずを持ってくるあたりが、女子だなぁと感心しました。

先生達と協力して、お腹を空かせたみんなの為に一生懸命作ってくれた唐揚げ定食。

いつも残しがちな千切りキャベツでさえ、愛おしく思えるようになったのではないでしょうか。

みんなモリモリ食べてくれ、大盛況の夕飯となりました。

そして、食後は銭湯へ。

近所の老舗銭湯へ歩いて行く予定だったのですが、スタッフが下見に行ってみると、まさかの臨時休業の張り紙。

ということで、急遽車で少し遠いスーパー銭湯へ行きました。

長風呂する子が続出する程みんな広いお風呂を楽しんでくれていたようで、予定は狂いましたが結果的にとても良かったです。

そして帰舎後は、すぐさま就寝準備。

緊張等で疲れたのでは?という心配もよそに、まだまだ眠る気配のないパワフルな子ども達。

コソコソ話しが微かに聞こえる中、まずは初日の夜が更けていきました。

まだまだ続く林間学校。

ブログもその2へ。